ゼニス クロノマスターオリジナル 1969(Ref. 03.3200.3600/69.M3200)を購入しました。
世界初の自動巻きクロノグラフムーブメントである歴史的名機「エルプリメロ」を搭載した「A386」が発表された1969年から50年以上が経ち、復刻版をゼニスが2021年に発売。
時計好きとしてはこの伝説的な時計を手に入れない訳にはいきませんでしたし、他にも下記のような理由もあって、購入に至りました。
- クロノグラフムーブメントの伝説である「エルプリメロ」を搭載している
- A386のデザインほぼそのままのリバイバル版
- トリコロールの色合いが自身の持っている服(青・黒・白)に合わせやすい
- クロノグラフの時計を持っていなかった
本記事で、実機レビューを様々な視点から行なっていきますので、購入を検討されている方はぜひご覧ください。
ゼニス(ZENITH)の時計ブランドとしての紹介
ゼニスは1860年スイス創業のマニュファクチュールで、時計史において大事な役割を果たしたブランドです。
ゼニスといえば傑作自動巻クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」だ!と想起される方が大半だと思います。
「パイロットウォッチ」というジャンルにおいても、実はゼニスが “PILOT” という商標を持っているため、文字盤に「PILOT」と入れられる唯一のブランドだったりします。
1969年、この年はゼニスにとっても時計史にとっても非常に重要な年になりますが、世界初の自動巻高振動クロノグラフムーブメントである「エル・プリメロ」を発表。
クロノマスター オリジナルの元である「A386」も販売開始されました。
50年以上前にここまで完成されたデザインの時計を作る、ゼニスというブランドの真髄を見せられている気になります…!
しかし、その栄光は長くは続かず、1970年代のクォーツショックによりエル・プリメロの製造も途絶えます。
ここで何と、当時のゼニスの時計製造職人であるシャルル・ベルモ氏がムーブメント製造に必要なツールや技術内容を時計工房の屋根裏に隠しておいたのです。
その後、1980年代に入り機械式時計への需要が戻り始め、エベルやロレックスなどがエル・プリメロのムーブメントを採用したいとゼニスに声をかけたことがきっかけで大躍進が始まります。
2000年頃までのロレックス デイトナには、エル・プリメロのムーブメントが搭載されていたことは有名です。
そして2021年、ついにリバイバル版として1969年に発売されたモデル達が、現代版ムーブメントによる改良を加えられて世に出ることとなります。
ゼニス クロノマスターオリジナル 1969のデザイン・外装
自然光のあるところでの着用画像はこちら。ブレスの磨きにより高級感がかなり出ます。
室内光ではこんな見え方です。トリコロール配色で構成された服装に、バッチリハマります。
ゼニスのクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」のシースルーバック(裏スケ)はとんでもなく美しい
似たような価格帯の時計もいくつか所持していますが、ゼニスは100万円台前半の時計の機構にはとても見えません。
個人的に、ゼニスとジャガー・ルクルトは価格に対する機構の複雑さ・綺麗さが良い意味でアンバランスです。
ゼニス クロノマスターオリジナル 1969の機能性
エル・プリメロ(El Primero) 3600は、1/10秒まで測れる唯一の自動巻クロノグラフムーブメント
クロノマスターを語る上で欠かせないのが、やはり最新のエル・プリメロの自動巻きクロノグラフ機構により “0.1秒” まで測れること。
それは言い換えると「世界で最も細かく時間を測定できる時計」ということです。
1969年のエル・プリメロデビュー当時から36,000振動/時という高振動を備えており、これにより高い精度を誇っているのです。
この36,000振動/時のハイビートムーブメントを製造しているブランドは他にグランドセイコーのみで、クロノグラフ搭載モデルは2024年現在でも無いため、ハイビートクロノグラフウォッチはゼニスの独壇場になっています。
今回クロノマスターオリジナルを購入して思ったのが、他のブランドのクロノグラフは必要ないかな、という気持ちになるくらい10秒で1周するクロノグラフ秒針の動きに魅了されています。
パワーリザーブも60時間と長め
1969年発売のA386でもパワーリザーブが50時間あった、というのが驚愕ですが、最新のムーブメント「エル・プリメロ 3600」では60時間に伸びています。
決して単なる復刻版に留まらず、内部機構にも技術革新を加えているところが素晴らしいです。
防水性能も5気圧(50m)と十分
ゼニスの時計は実用時計として素晴らしい性能を持っていますが、防水性能も同様ちゃんと備わっています。
ゼニス クロノマスターシリーズの素材・色違いの種類
ゼニスのクロノマスターシリーズは、スポーツ・オリジナル・オープンの3種類があります。
エルプリメロの機構を見せたい方はオープン一択なのですが、スポーツとオリジナルは迷う方もいらっしゃるかもしれません。
スポーツカジュアルな服装が多い方はクロノマスター “スポーツ” を、キレイめな服装が多い方はクロノマスター “オリジナル” を選ぶとハマる
ロレックスのデイトナのようなデザインの、クロノマスター スポーツ。
ケース径も41mmと、クロノマスター オリジナルの38mmよりも大きめ。
腕が太め(16cm以上は欲しいです)で、服装もカジュアルめであれば似合う時計だと思います。
一方、僕と同じように細腕の方やキレイめなファッションが多い方は、クロノマスター オリジナルがお勧めです。
38mmの小振りなケース径がドレッシー感をアップさせるので、スーツからカジュアルな服装まで万能に使えます。
ゼニス クロノマスター オリジナルに「トリプルカレンダー」のモデルが2024年新発売…!
1969年時点で、エル・プリメロのクロノグラフ機構に加えてトリプルカレンダーの機能を搭載する原案は開発者の中であったようですが、当時製品化には至りませんでした。
逆に『このトリプルカレンダーモデルでエル・プリメロの機構は完成された』とも言えます。
僕がクロノマスター オリジナルを購入した2022年当時は当然知りませんでしたので、登場のニュースを見てグッときましたが、個人的にはA386のトリコロールカラーを再現しているクロノマスター オリジナルが一番好きです。
(トリカレでトリコロールカラーの文字盤のものが登場したら…どうしましょうw トリプルカレンダーの機構も入って38mmのケースサイズは凄すぎませんか…)
ゼニス クロノマスター オリジナルの色選び
まず、ゼニスのアイコニックな時計を欲している僕のような方は「Ref. 03.3200.3600/69.M3200」を買いましょうw
そこまでの拘りが無い方は、文字盤の色違い(ブラック, グリーン, シルバー)や単色のものなどバリエーションは多少ありますので、個人的なお勧めを記載します。
ストラップの色に合わせ、文字盤のインデックスの色も3色に変わっています。
これはめちゃくちゃオシャレ…!
ゼニス クロノマスターオリジナル 1969を購入する前に知っておいた方が良い点
購入して2年が経ちますが、本当にこの時計には気になる点がありません。
隙が無い時計、という表現が正しいと思います。
価格に対してのムーブメントの出来、裏スケから見える機構は雲上時計を思わせる仕上がり。
それを38mmというサイズに抑え、1969年登場のA386という名機をほぼそのままリバイバルしたトリコロール配色のデザイン。
パワーリザーブも長めの60時間。
防水性能は10気圧(100m)と非常に堅牢。
ブレスの仕上げも丁寧。
正直、全く欠点が見つかりません。
が、あえて言うなら、というので1点(+α)だけ挙げます。
ブレスの磨きがキラキラなのでリバイバルの雰囲気が現代的に
A386のリバイバルであるならば、ブレスの磨きをポリッシュ加工しないverも見たかった気持ちがあります。
『ラグジュアリースポーツに現代的に寄せたのでは』と解釈しているのですが、リバイバルに完全に振り切っても良かったかも。
(ブレスの仕上げのおかげで高級感がかなりあるので、所有満足度は非常に高いです。ブレス→革ベルトなど、ベルトチェンジすると一気にヴィンテージ感が増して面白いのでは、と思います。)
クロノマスター オリジナル 1969は『ラグジュアリースポーツウォッチ』というジャンルには当てはまらない(と思う)
今はラグスポ全盛期。
僕が個人的に思うラグスポの要素である、ステンレススチール製でドレッシーな薄型(〜9mm)、という条件をクロノマスター オリジナルは満たしません。
13mmという厚さは、機械式腕時計の中では平均的か少し厚めの部類かなと思います。
が、欠点として挙げていないのは「ブレスの仕上げが良すぎて、装着感が素晴らしい」ため、厚みが全く気にならないからです。
「ロレックス サブマリーナやデイトナも13mm弱の厚さあるじゃん!」という主張もよく分かります。
ですが、ロイヤルオークやノーチラスのような9mm弱の厚さがラグジュアリースポーツウォッチの必須要素だと僕は考えています。
クロノマスター オリジナルは「自動巻クロノグラフムーブメントの伝説、エルプリメロと共に」ある時計、という位置付けで保有されるのが良いのかな、と思います。
ゼニス クロノマスターオリジナル 1969の価格(正規店/並行輸入)・並行差別の有無・リセールバリュー
ゼニスは並行価格との差がそこそこあるブランドです。
サイト | 価格(2024/5時点) |
正規店 (ゼニス公式サイト) |
1,320,000円 |
価格.com | 107万円↑程度 |
ゼニスは並行差別あり…明確にアフターサービス代金(修理・オーバーホール等)が異なる
ゼニスは正規品と並行輸入品でアフターサービスの料金に1.5倍の差があります。
僕は、100万円を超える高額な時計を購入する際にアフターサービスをきちんと受けたいため、必ず正規店で購入するようにしています。
25万円という差は結構大きい…ですが、後述のお得な支払い方法を探して差分を半分程度に減らすことができています。
リセールバリューは45%〜
リセールバリューの定義を『買取価格 ÷ 新品価格』とし、ネットの情報を確認したところ60万円で即買取していただけそうです(GMTさん)。
※ゼニスの時計も値上がりを20%程度しており、買取価格も変動すると思われます。
ゼニス クロノマスターオリジナル 1969の時計(正規品)購入をお得にする支払い方法
ゼニスの時計(正規品)を購入するなら「百貨店クレジットカード」一択!
ゼニスは、5〜10%のポイント還元率の百貨店クレジットカードのポイント付与対象ブランドです(2024年5月時点)。
エルメスやシャネルのような一部ブランドは、百貨店クレジットカードのポイント付与対象外になっていますが、ゼニスは現時点ではなっていません。
僕は新宿伊勢丹でエムアイカードゴールドで購入しまし、110,000ポイント付与されたので、Tod’sの靴を追加で買いましたw
ゼニスの時計を正規店で購入する際は、お近くに店舗があれば百貨店クレジットカードを利用するべきです。
都道府県 | 店舗名 | 利用クレジットカード |
東京 | 大丸 東京 | 大丸松坂屋カード |
東京 | 高島屋 日本橋 | 高島屋カード |
東京 | 新宿 伊勢丹 | エムアイカード |
東京 | 西武 池袋 | クラブ・オン/ミレニアムカード |
千葉 | そごう 千葉 | クラブ・オン/ミレニアムカード |
神奈川 | そごう 横浜 | クラブ・オン/ミレニアムカード |
愛知 | JR名古屋 高島屋 | 高島屋カード |
兵庫 | 大丸 神戸 | 大丸松坂屋カード |
北海道 | 大丸 札幌 | 大丸松坂屋カード |
大阪 | 阪急 梅田本店 | ペルソナSTACIAカード |
大阪 | 高島屋 ウォッチメゾン 大阪 | 高島屋カード |
福岡 | 阪急 博多 | ペルソナSTACIAカード |
福岡 | 岩田屋 本店 | エムアイカード |
静岡 | 松坂屋 静岡 | 大丸松坂屋カード |
詳しくは下記記事にまとめていますので、ご覧ください。
結論:クロノグラフ好きは名機「エル・プリメロ」搭載のゼニスの時計を一度は持ちたい
王道を往く方には向かないですが、時計好きでクロノグラフの機構が好き、という方。
デイトナやムーンウォッチも素晴らしいですが、自動巻クロノグラフムーブメントの歴史を築き上げたゼニスのエル・プリメロ搭載モデルを手に取ってみてはいかがでしょうか。
クロノマスター オリジナルは1969年登場時の「A386」のデザインをほぼ踏襲しており、腕に載せるとクロノグラフの歴史を感じられる逸品です。
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