念願のサントス ドゥ カルティエのMMサイズ、コンビモデル(Ref. W2SA0016)を伊勢丹(Cartier正規店)にて購入しました。
購入した理由はいくつかあるのですが
- 時計好きとして、男性用腕時計の始祖であるサントスは持っておきたい
- スクエア型の時計を持っていなかった
- 30代前半の男性が着けてもゴールドが嫌らしくない、コンビモデルを探していた
- 腕周り15cmの細腕が着けてもおかしくない
この4つの理由に合致したのがサントス ドゥ カルティエのMMサイズコンビモデルでした。
本記事では、購入品レビューということで色々な視点で解説していきます。
カルティエ(Cartier)の時計ブランドとしての紹介
カルティエは、1847年にフランスでルイ=フランソワ・カルティエの創業した高級宝飾メゾン。
カルティエ初の腕時計は、1888年に女性のブレスレットウォッチとして登場します。
そして、3代目のルイ・カルティエが腕時計の可能性を見出し、現代の腕時計の始祖とも言われる「サントス」を生み出します。
世界初の男性用腕時計「サントス(Santos de Cartier watch)」の歴史・誕生秘話
1900年当時、時計といえば女性物かつ宝飾品のブレスレットウォッチか、懐中時計を持ち歩くのが基本でした。
同時期の1880年頃、ジラール・ペルゴがドイツ皇帝ヴィルヘルム1世に依頼され、ドイツ海軍へ2000本の腕時計を納品したという記録が残っていますが、懐中時計を腕に巻き付けたもので、現在の腕時計とは遠い存在でした。
そして1904年、ブラジルの発明家・飛行家であるアルベルト・サントス=デュモンの依頼を受けた、友人でもある3代目ルイ・カルティエが、ケースとラグを一体化させた試作品を制作。
『飛行機を操縦中に時刻が分かるようにしてほしい』という要望を満たすため、今の腕時計の原型ともいえるデザインが生まれ、1911年に量産型の腕時計として「サントス」が発売され、フランスの社交界で大流行したのです。
1911年当時に発売されたデザインは、現在も「サントス-デュモン ウォッチ」というラインで残っています。
当時と全く同じ全体がイエローゴールドで茶色の革ベルトのモデルは無く、当時のモデルの方がより女性的な流れるようなラグを綺麗に感じられます。
そこから半世紀以上が経ち、1970年代にオーデマ・ピゲのロイヤルオークやパテックフィリップのノーチラスのような、ジェラルド・ジェンタ氏デザインのラグジュアリースポーツウォッチが大流行し、その流れに乗る形で現行のサントス ドゥ カルティエの源流となるラインが登場し、2018年にリニューアルされて今に至ります(1980年代のサントスガルべがコレクターの間で人気ですよね)
サントス ドゥ カルティエMMコンビモデルのデザイン・外装
まずは室内光で撮影した写真を掲載します。
結構ゴールドの色味がハッキリ見えるのが分かると思います。
しかし、カルティエのイエローゴールドは主張しすぎない落ち着いた色合いなのと、文字盤がホワイトかつブレスもビスのみゴールドなため、ワンポイントなおしゃれさを演出できます。
続いて、晴れの日の写真はこちら。
日中はステンレススチールのモデルかのように見えるくらい、イエローゴールドの色味が薄まります。
撮影時は秋冬でしたので、ニット&チェスターコートに合わせるととても上品に見えます。
この時計の上品さは、暗いところでさらに魅力を発揮します。
ほとんどステンレススチールモデルにしか見えないくらい、ほんのりゴールドな色味なので特に間接照明の下でめちゃくちゃ映えます。
サントス ドゥ カルティエには「茶色の革バンド」が付属するのでお得!
サントス ドゥ カルティエはステンレススチールのブレスレットが標準装備ですが、何と茶色のスムースレザーのDバックルのベルトが付属します(実は購入後に初めて知ったので、得した気分でした)
SSブレスのラグスポ感から打って変わって、一気にドレスウォッチ感が出ますよね。
ベーシックな茶色のスムースレザーのため使いやすく、Dバックルなので付けやすさもバッチリです。
後ほど詳しく紹介しますが、しかもサントス ドゥ カルティエのベルトは工具不要でワンタッチで簡単に付け替え可能なため、これ一本を一生物としてどんなシチュエーションでも使うのはアリだと思います。
それくらい、歴史あり・完成度高い・使い勝手の良い、素晴らしい時計だと感じます。
サントス ドゥ カルティエの着用シーンはカジュアルからドレスまで
サントス ドゥ カルティエは万能すぎるため、Tシャツにジーンズのようなカジュアルスタイルからジャケパンの少しかっちりめにも、何なら通勤のスーツにも合います。
ゴールドの入ったコンビモデルの場合、お堅いビジネスシーンや冠婚葬祭では少し派手かな、というくらいで使えないシーンはほぼ無いように感じます。
前述の通り、付属の革ベルトに付け替えて、カバンやベルト・靴の色を全て茶色で合わせると、ファッション上級者の着こなしに見せることもできます。
サントス ドゥ カルティエMMの機能性
ノンデイトでシンプル・白文字版に青い針、視認性は非常に高い
MMサイズは35.1mmのケース幅と小振りなため、視認性を気にする方も多いかもしれません。
しかし、スクエアの文字盤かつインデックスや針とのコントラストがハッキリしており、ノンデイトということもあり時刻確認は非常にしやすいです。
また、ノンデイトのため時刻合わせも簡単。
操作禁止時間帯も無く、自動巻きの調整は非常にやりやすいと思います。
ケースの厚みが8.83mmと薄い!最高の装着感とラグスポ時計のトレンドにバッチリ
本体を横から撮った写真で見ると分かりますが、厚さ8.83mmということもありブレスとの一体感がすごいです。
ケースの厚さが薄いと装着感が格段に良くなります。
ブレスもぎっしり揃っており、(新品で購入して1年弱なので当然かもしれませんが)ヨレはありません。
世間的にはラグスポウォッチとしてサントス ドゥ カルティエはあまり取り上げられていませんが、9mmを切ってくる厚さの自動巻き時計としてラグスポの条件を十分満たしているように感じます。
8.83mmの薄さで防水性能100m(10気圧)を実現する、カルティエの技術力
ラグスポの要素を満たす(と個人的に考えている)9mm以下の時計で、防水性能が100mの時計は貴重です。
ブランド | モデル | ケースの厚み | 防水性能 |
カルティエ | サントス ドゥ カルティエ | 8.83mm | 100m |
オーデマ・ピゲ | ロイヤルオーク | 9.1mm | 50m |
パテックフィリップ | ノーチラス | 8.2mm | 30m |
ショパール | アルパインイーグル | 8.4mm | 100m |
パルミジャーニ・フルリエ | トンダ | 7.8mm | 100m |
ブルガリ | オクト | 6.4mm | 100m |
いわゆるラグスポ時計の代表格である、オーデマ・ピゲのロイヤルオークやパテックフィリップのノーチラスよりも防水性能に優れており、薄さが推しのモデルにも匹敵しています。
日常生活を送る上で、湿気などをそこまで気にしなくて良いのは高級時計を所有する際の大事な点だと思います。
ブレスレットの付け替えがワンタッチ!「クイックスイッチ」機能がすごい
サントス ドゥ カルティエには「クイックスイッチ」と呼ばれる、ブレスレットを簡単に交換可能なシステムが搭載されており、付属の革ベルトにワンタッチで切り替えられます。
裏蓋とブレスの間のボタンを押しながら、ブレスを上にスライドさせることで簡単に取り外せます。
(Apple Watchをお持ちの方は、まさに似た機構(Apple Watchは横にスライドですが)と思ってもらえると分かりやすいです)
その時の服装に合わせて、SS(ステンレススチール)のブレス⇔革ベルトに自由に切り替え可能だと、雰囲気を簡単に変えられてファッションの幅が広がります。
信頼性の高い自社ムーブメント「キャリバー 1847」を搭載
汎用ムーブメントを利用できなくなったETA問題を解決すべく、リシュモングループに属するカルティエは、ムーブメントの自社製造を進めてきました。
2018年にリリースされたサントス ドゥ カルティエは、2015年に発表された「キャリバー 1847 MC(= Manufacture の略)」を搭載し、自社製ムーブメントのためアフターサービスもバッチリです。
サントス ドゥ カルティエの素材・色違いの種類
実はサントス ドゥ カルティエは素材や文字盤の色などバリエーションが豊富なため、ご自身の好みにあったモデルが見つかりやすいです。
サイズは3種類(MM, LM, XL)、個人的には日本人はMMサイズがお勧め
筆者の腕周りは15cmとかなりの細腕のため、基本はケース径が40mm以下、できれば38mm以下のものを好んで買っています。
サントス ドゥ カルティエの場合、MMサイズがぴったりでした。
- MMサイズ:横35.1mm(縦42mm)
- LMサイズ:横39.8mm(縦47.5mm)
- XLサイズ:横44.9mm(縦51.3mm) ※クロノグラフ搭載モデルのみ
サントスはスクエア型の時計のため、丸型の時計に比べてケース径の割に大きく感じられます。
ですので、標準的な日本人の腕の太さである16〜17cm程度まではMMサイズが収まりが良く見えるはずです。
何より、サントスはドレス寄りの時計ですので、小さめのケース径で合わせるのがおしゃれに決まります。
素材はステンレススチール, イエローゴールドのコンビ, 金無垢(イエローゴールド・ピンクゴールド)の4種類が基本
ジュエラーであるカルティエならでは、サントスも様々な素材のラインナップがあります。
ゴールドはイエローゴールドとピンクゴールドが基本で、一部ダイヤモンド付きモデルにホワイトゴールドもあります。
カルティエのイエローゴールドはそこまでギラつき感が無いように感じるため、金無垢モデルも人によっては合うと思います。
文字盤の色は白, 青, 黒, 緑, 茶色まで様々
直近では男性向けのラインナップを強化しており、文字盤の色は白以外にも青や緑、茶色などのバリエーションも出しています。
上記3色については、付属する革ベルトの色も合わせて変わりますので、ぜひ店頭で見てもらうのが良いと思います。
(僕は青・茶の文字盤色に付属するベルトが非常に好みで、素敵だなと思いました)
サントス ドゥ カルティエを買う前に知っておいた方が良い点
①ゴールド部分は確かに傷つきやすい…でも、それが味になる
購入して1年弱、月に数回使う程度の使用頻度で現状こんな感じです。
特にコンビモデルの場合、ゴールド部分は傷が付きやすいです。
(ステンレススチールのモデルでも、傷が付いているのをInstagramで見たことがあります)
ですが、僕はむしろ『時計はガシガシ使って傷が少し付いているくらいが、こなれ感が出る』と考えてる派なので、時計に刻まれる年輪を楽しむつもりです。
ピッカピカな時計を付けていると、時計に着られている感が出てしまい、時計ばかり目立ってしまうからです。
②パワーリザーブは40時間と短め
防水性や薄さなど機能面でベタ褒めしてきましたが、パワーリザーブ(自動巻きが動き続ける時間)は40時間と昨今の一般的な機械式時計に比べて少し短めです。
(とはいえ、朝着けて日中止まってしまうようなことは全く無いですし、毎日着ける方や多く時計をお持ちで毎度時刻合わせをする方にとっては、気にする必要無い点です)
先ほども書いた通り、サントス ドゥ カルティエには自社ムーブメント「キャリバー 1847」が搭載されており、それが非常に薄型でデザイン性を担保できる構造になっています。
そのため、パワーリザーブの時間は多少控えめになっているのだと推測しています。
サントス ドゥ カルティエの価格(正規店/並行輸入)・リセールバリュー
正規店在庫もオンライン上であり、希少モデルという訳でもないため入手はしやすいと思います。
しかし、カルティエを始め多くの時計ブランドが2021年以降頻繁に値上げをしており、僕の購入したベーシックなコンビモデル(Ref. W2SA0016)は並行輸入品を探すのは難しい状況です。
※価格.comに無し、他並行輸入店も在庫無しがほぼです。
サイト | 価格(2024/4時点) |
正規店(Cartier公式サイト) | 1,557,600円 |
chrono24 | 150万円↑程度 |
正規店・ブティックで購入するとCartierの8年間保証を受けられるため、オーバーホール代も鑑みて新品なら正規店での購入をお勧めします。
カルティエ(Cartier)の時計はリシュモングループに属するため、並行差別無し
円安とインフレで値上げの波は止まらず、時計需要の急増によりお目当てのモデルを正規店で購入するのは下手すると数年待ち…なんて時代になってしまいました。
そうすると、少しでも早く手に入れるために並行輸入品を購入される方も増えていると思います。
カルティエの場合、アフターサービスは並行輸入品であろうと正規品と同一の価格で受けられます。
これは非常に嬉しいですよね。
リセールバリューはSSモデルで56%, コンビモデルで50%弱
何をもってリセールバリューとするかは難しいですが、中古買取価格を調べてみるとステンレススチールモデルで56%程度(107万→60万での買取)、コンビモデルで50%弱(156万→80万での買取)でした。
本記事のサントス ドゥ カルティエは希少モデルではなく定番ラインのため、リセールバリューを期待しての購入はやめておいた方が良いでしょう。
カルティエの時計(正規品)購入をお得にする支払い方法
100万円を超えるような高額な買い物になるため、ポイントを貯められるなどできるだけお得に購入したいですよね。
30代前半でこれまで7本の高級時計を購入してきた、ちょっと頭のおかしい僕の経験を踏まえ、ご紹介します。
還元率が高いクレジットカードを利用する(≠百貨店のクレジットカード)
カルティエは残念ながら、百貨店のクレジットカードのポイント高還元の対象外ブランド…そのため、クレジットカード自体のポイント還元率が高いカードで購入するのが最もポイントを貯められてお得です。
時計購入にオススメのクレジットカードは別記事で紹介していますので、そちらをぜひご覧ください。
結論:サントス ドゥ カルティエは万人受けするラグスポウォッチ!
現在、カルティエの時計は世界的に人気が高まっています。
腕時計の新作発表の祭典のWatches and Wonders Geneve 2024でも盛り上がっていましたが、東京 原宿で直近開催された「TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える」でも予想以上に混雑しており、特に若い人の注目が集まっているように感じました。
その中でも世界初の男性用腕時計としての歴史や、Cartierの得意とするデザイン性もさることながら、ラグスポ時計の条件を満たす薄さや高い防水性能などの機能性も、特に若い人の心を掴んでいると考えています。
利用シーンも幅広く使えるため、一生物として購入するのはいかがでしょうか?
コメント