インフレと円安で時計の価格がとんでもないことになっていますが、ヴィンテージの時計はそこまで値上がりしていません。
今回は、ヴィンテージカルティエの時計で出会ったら即買い!なおしゃれかつ希少価値の高いモデルを紹介していきます。
カルティエの希少ヴィンテージモデルでファッションも時計欲も格上げ!
カルティエの時計は昔から変わらないデザインということもあり、ヴィンテージウォッチが非常に人気です。
『王の宝石商、ゆえに、宝石商の王』と称えられている通り、ダイヤモンドやゴールドなど宝石に関する仕上げが非常に綺麗で、他のブランドより状態の良い個体が多いというのもポイントです。
サントス ガルべ(Santos Galbee)1987年〜
カルティエの時計、といえば『タンク』や『パンテール』と並んで『サントス』が取り上げられると思います。男性用腕時計として、世界で初めて市販化されたモデルが『サントス デュモン』です。
初登場から現代腕時計の概念を完成させたこの傑作は、1970年代に入り、オーデマピゲのロイヤルオークやパテックフィリップのノーチラスに始まったラグスポブームの中、カルティエが解釈した【ラグジュアリースポーツ】を体現したステンレススチール製の自動巻腕時計『サントス ドゥ カルティエ』を1978年に発売。
その後、クォーツショックにより1987年にようやくクォーツモデルとして『サントス ガルべ』が発売されました。
モデル名 | 機構 | 気をつけたいポイント |
サントス ドゥ カルティエ | 自動巻 | 現行モデルに比べ裏蓋が膨らんでいる
※後期モデルのXLを選ぶと、現行サントスとほぼ同じ大きさかつ膨らみが解消されています |
サントス ガルべ | クオーツ | 秒針のあるモデルだとクオーツ運針が気になるかも |
表でまとめた通り、登場当初のサントス ドゥ カルティエの自動巻モデルは、ムーブメント分で裏蓋がぽっこり膨らんでいます。
それはそれで可愛いのですが、現行の薄いサントスに慣れている方は後期型を選ぶと良いでしょう。
クオーツか自動巻か気にしない!という方は、状態の良い個体の多いヴィンテージモデルのため、選択肢は広いです。
僕は現行のサントス ドゥ カルティエを所有していますが、個人的にサントスはコンビモデルを推します。カルティエのイエローゴールドは非常に上品な色合いで、目立ちすぎずファッションを格上げしてくれます。
サントス オクタゴン(Santos Octagon)1980年頃〜1990年初頭
街中のヴィンテージショップでほとんど見ることのない、カルティエのヴィンテージモデルの一つが「サントス オクタゴン」です。
これは1980~1990年代の10年程度の間しか生産されなかったため、状態の良い個体がほとんどありません。
どことなくオーデマ・ピゲのロイヤルオークやジラール・ペルゴのロレアートの8角形に似た、当時のカルティエがラグジュアリースポーツウォッチとして解釈したサントス ドゥ カルティエの亜種です。
最近ではクレドールのロコモティブが復活したように、それと似たデザインのモデルが何とカルティエにもある、というのがオシャレです。
自動巻とクォーツのモデルがあり、サントス ドゥ カルティエ同様、自動巻のモデルは裏蓋がぷっくりしています。
個人的に、ヴィンテージウォッチを買うならメンテナンス性を考えると自動巻の方が良いと考えており、それに加えてサントス オクタゴンは29mmのケース径とかなり小さめ。すると、厚みのある自動巻の方がメンズでも映えると思います。
カリブル ドゥ カルティエ(Calibre De Cartier)2010年〜2020年
カルティエ初のメンズ専用コレクションとして発表された「カリブル ドゥ カルティエ」。
登場当時の2010年頃は「ETA問題」で時計業界がざわついていた時期ですが、カルティエも時代の流れを受けて自社開発ムーブメント(1904MC)を初めて搭載したのがカリブル ドゥ カルティエです。
カルティエ初のダイバーズウォッチ、と言っても良いかもしれません(カリブル ダイバー、今はパシャがカルティエのダイバーズウォッチ枠です)。
38mmと42mmのサイズ展開で、芸能人の方にカルティエの時計が爆発的に流行ったきっかけの時計です。
惜しまれながら2021年に廃盤に。もう中古で買うしかないのですが、まだそこまで値段は高騰していません。
自社でムーブメントを製作しているマニュファクチュールモデルの場合、できれば製造状況の安定してくる後期型を選ぶ方が良いでしょう。
カルティエ サンチュール(Cartier Ceinture)1973年〜数年間
1970年代に、カルティエが時計に力を入れるべくリリースした「ルイ・カルティエ コレクション」。
現在はタンク ルイ カルティエやベニュワールが残っていますが、当時は12モデルが発表されました。その中でも、個人的におすすめなのがこの「サンチュール」です。
ルイ・カルティエコレクションの1つのため、ケース素材は18Kイエローゴールドかホワイトゴールドのみです。
ムーブメントはクォーツか手巻きが基本で、自動巻もごく少数あるようです。
カルティエの時計といえば、リューズの青(ルイ・カルティエコレクションでは本物のサファイアを使用、通常はスピネル)が特徴的ですが、サンチュールはラグの中にリューズがしまわれたデザイン。
そのためとても珍しく、人と被ることはほぼ無いと言って良いでしょう。
それだけ、状態の良い個体を探すのも大変な時計で、出会えたら即買いだと思います。
タンク ルイ カルティエ(Tank Louis Cartier)1973年〜
最後に、僕が最もおすすめするモデルを紹介します。
先ほどの、カルティエが社運をかけて発表した12本の「ルイ・カルティエ コレクション」、そのうち現代にも生き残っているのが「タンク ルイ カルティエ」です。
カルティエの時計といえば、アイコンでもある傑作「タンク」を思い浮かべる人が多いと思いますが、中でも「ルイ カルティエ」を冠したモデルはカルティエ内でも特別です。
18Kイエローゴールド/ピンクゴールド/ホワイトゴールドと金を使ったモデルが基本になるため、通常のタンクシリーズに比べて高額ですが、金は加工が簡単かつ風合いの変化も穏やかなため、ヴィンテージモデルにこそめちゃくちゃオシャレに見えます。
僕は2024年に現行モデルのタンク ルイ カルティエのブラック文字盤を購入しましたが、最も気に入っている時計です。
タンク ルイ カルティエに搭載された機構のうち、美しいなと感じたのはムーンフェイズ搭載モデルです。
通常とは異なる日付表示に、パワーリザーブ表示のあるこちらのモデルも人と被らず良いと思います。
まとめ:カルティエの歴史あるヴィンテージモデルは新品に比べてかなりお得!
ここに挙げたモデルは、博物館に飾られるような歴史的にも重要な時計ばかりです。実際、タンク ルイ カルティエとサンチュールはカルティエ展で美術館に展示されているのを見たことがあります。
僕は先ほどのサントス ドゥ カルティエとタンク ルイ カルティエの他にバロンブルー ドゥ カルティエのムーンフェイズモデルを所有しており、こちらはもう廃盤のレアなモデルです。
また、ファッション業界でもカルティエの時計はかなり人気が増しており、価格も上がり続けています。
一生物の一本として買うのに素晴らしい時計ブランドだと思います。
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